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Daisuke Kono

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ある夏の暑い日のこと、一人の旅人が歩いていると、道端(みちばた)に小さなお地蔵さんが一つ立っていました。さらに、道のずっと先の方にはそこからよく見えるぐらいの一本の大きな()が伸びていて、旅人はその大きく広がった枝の下が()(かげ)になっていると思い、そこまで歩いていってひと休みすることにしました。樹の近くからはせみの()き声がみんみんと(ひび)(わた)り、辺りを見渡すと、周辺の木々に(かく)れて落ちぶれてしまった()(おく)()(ごり)何軒(なんげん)か見えました。
 
「ここには昔、(しゅう)(らく)があったのか。」
 
旅人は言いました。しばらく休んでいると眠たくなってきたので、()(ころ)がって上の方に目をやると、()(かい)(おお)うほどの()(よう)とその(すき)()から見える()みきったあおい空が広がっていました。
 
「腹がへったなぁ。これで何か食べ物があればいいんだが。」
 
旅人は数日前からあまり食べ物を食べていませんでした。彼が首を後ろにそらすと、自分が背にした()には注連(しめ)(なわ)のようなものが()かれてあり、自分のすぐ横には小さな(ほこら)()っていることにも気が付きました。旅人はがばっと起き上がって、
 
「おっと、これは()神木(しんぼく)だったのか。上に(すわ)ったり寝転がったり…大変ばち当たりなことをしてしまったな。申し訳ない。それにしても太く(りっ)()()びた(みき)だ。まさに天まで届いているのではないだろうか。」
 
目の前にある大きな樹を見上げながらひとりごとを言うと、目をつむってパンパンと手を(おが)み合わせました。
 
「コトッ。」
 
すぐそばで小さな音がしたのでそっと目を開けてみると、(ほこら)の前にはさっきまではなかったはずのおむすびが2つ、置かれていたのでした。
 
  
おわり



(用語の解説)
注連(しめ)(なわ)神祭(しんさい)()の一つで、神社などの神聖(しんせい)な場所に張られる縄のこと。
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それからしばらくすると、屋敷の周りではおかしなことが起こり始めました。家来たちの間で()()やお金をめぐって(あらそ)いになったのですさらに日頃、お殿様()(まん)を持っていた町民や村たちは、屋敷の食べ物酒を(ぬす)んだり、(くら)()やしたりもするようになりました。してしん太が来てからひと月ほどの間に屋敷の中の人間は全員死んでしまいました
 
お殿様たちがいなくなったという話を聞いたおじいさんとおばあさんは、すぐに屋敷に行ってしん太を探しました。しかし、しん太は(ろう)の中でやつれた姿になって、すでに息を引き取ってしまっていました。二人は彼を抱いて泣きじゃくりながら、
 
「食事もさせてもらえずにかわいそうに。ごめんよ、ごめんよ。このとおり、私たちを許しておくれ。」
 
と何度も(あやま)っては、しん太の亡骸(なきがら)交代(こうたい)でおんぶして家まで連れて帰り、家の庭のすみに穴を掘ってお(はか)を作ってあげることにしました。
 
ある日のこと、二人はお墓の横で(かがや)く小さな光を見つけました。よく見るとそれは土から出てきた(しん)()で、(いっ)(とき)の時間、神々(こうごう)しい光を放っていました。
 
「この新芽は、しん太の生まれ変わりであるに(ちが)いない。」
 
おじいさんとおばあさんはそう言って生きている間、それを大事に大事に育てることにしました。



(用語の解説)
(しん)() 新しく生えてきた草木の芽のこと。
神々(こうごう)しい:(しん)()的で(とうと)いという意味。
()(しき)に戻ったお殿様は、(はじ)をかかされた()(かえ)しとして村人にいじわるをしてやろうと考えました。まず、家来たちに村の畑や田んぼを()らさせたり、人にけがを負わせたりといろいろな(わる)さをしました。また、村人が生活に困るようにたくさんの作物を村から屋敷に(おさ)めるように命じました。
 
はじめは()(まん)していた村人たちでしたが、しばらくすると村を出ていく者も(あらわ)れ、中には家来(おど)されて(ぬす)をする者まで出てきました。のことを心配したおじいさんとおばあさんは心も体も(つか)れてはててしまい、村の人たちと話し合い、ついにお殿様にしん太を引き(わた)す事になってしまいました。しん太は、
 
「行きたくないやい。(はな)ばなれになるのは(いや)。」
 
と言って泣きわめきましたが、家来はしん太を無理(むり)やり屋敷まで連れていきました。
 
しん太を手に入れたお殿様はたいそう喜び、すぐにありったけのお金を出すようにしん太にお願いしてみることにしました。しかし、次の日になっても何も起こりません。そこで今度は、たくさんのお酒と食べ物をお願いすることにしました。しかし次の日も、そのまた次の日になっても何かが起こる()(はい)は全くありません。おかしいと思ったお殿様が家来の一人たずねてみると、
 
「村人の話では、願いをかけるときに老人二人は(わらべ)を強く抱きしめていたそうです。」
 
そこで、家来たちを()んでしん太を無理(むり)やり抱っこさせることにしましたが、願いは何日経っても(かな)えることができません。お殿様がまたもやおかしく思っていると、家来の一人が今度はこう答えました。

「村人の話では、願いをかけるときに老人二人は(わらべ)がたくさん涙を流したそうです。」

そこで次は、家来たちにしん太を泣かせるように(めい)、彼がうまく泣かなかったときには(むち)(ぼう)などで体を(たた)いて()()やり涙を流させようとしました。しかし、それでも願いはいっこうに(かな)えることができませんでした。それだけでなくしん太はつらい目に会うのが嫌で何度か屋敷を逃げ出そうとしたのでお殿様は彼(ろう)閉じ込め食べ物を与えなかったり、ひどい拷問(ごうもん)たりもしました。そうこうするうちに、しん太の体力はどんどんと落ちてゆき、屋敷に来てから2週間ほど経ったある日彼はついにたおれて動けなくなってしまいました
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