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Daisuke Kono

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そんな願いを叶えてくれる神童(しんどう)(うわさ)は、村から少し離れた町すぐに広まりましたが町には人の物を何でも()しがる評判の悪い殿(との)(さま)も住んでおられました。そのお殿様しん太の不思議な力にたいそう興味を持ち()(らい)を村に(つか)わしては村人たちから彼のことを聞いて回りました。そしてついに、しん太年寄り二人の(ひろ)い子であるということまで聞いて知ってしまったのです
 
しん太がどうしても欲しくなったお殿様は、(おお)(ぜい)の家来を引き連れておじいさんとおばあさんがいる村(おとず)れました。(おどろ)いたおじいさんとおばあさんを前にしてお殿様言いました。
 
「その子は私の一人息子である。村に忘れてしまい、今までずっと探していたのじゃ。すぐに私に返しなさい。」
 
しかし、お殿様の悪い評判を知っていたおじいさんとおばあさんは、それをすぐに信じることができませんでした。そこで二人は、
 
「この子を村のどこにどのようにお忘れになったのでしょうか?」
 
と、お殿様や家来にたずねました。
 
「たしか村にある地蔵の近くで、1尺半から2尺ほどの()(かご)の中に入っておっただろう。
 
家来の一人がそう答えると、お殿様たちはしめしめというような顔をしました。なぜなら、少し前に村人からその話を聞いていたからです。おじいさんとおばあさんはもう一つ、今度は村の(だれ)にも教えていないことについてたずねてみました。
 
「では、この子が()につけていた着物はどんなものだったでしょうか?」
 
赤ん坊は夕焼けのようにきれいな赤いべべを着ていたので、置いていった人がそれを忘れるわけはありません。しかし、殿様や家来たちは顔を見合わせるだけで、(だれ)一人それについて答えることができませんでした。そんな様子を見ておじいさんとおばあさんは彼らがうそを言っているということすぐにわかったので、
 
「この子は()が子のように大切に育てております。殿()()なければ(わた)しするわけにはいきません。(もう)(わけ)ありませんが、お引き取り下さい。」
 
と、今度の(もう)()(ことわ)ることにしました。お殿様ぷんぷんと怒りながら、その日は仕方なく町に帰ることにしました



(用語の解説)
(つか)わす:上の者が下の者を使者として、その場所に行かせること。
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