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Daisuke Kono

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それからしばらくすると、屋敷の周りではおかしなことが起こり始めました。家来たちの間で()()やお金をめぐって(あらそ)いになったのですさらに日頃、お殿様()(まん)を持っていた町民や村たちは、屋敷の食べ物酒を(ぬす)んだり、(くら)()やしたりもするようになりました。してしん太が来てからひと月ほどの間に屋敷の中の人間は全員死んでしまいました
 
お殿様たちがいなくなったという話を聞いたおじいさんとおばあさんは、すぐに屋敷に行ってしん太を探しました。しかし、しん太は(ろう)の中でやつれた姿になって、すでに息を引き取ってしまっていました。二人は彼を抱いて泣きじゃくりながら、
 
「食事もさせてもらえずにかわいそうに。ごめんよ、ごめんよ。このとおり、私たちを許しておくれ。」
 
と何度も(あやま)っては、しん太の亡骸(なきがら)交代(こうたい)でおんぶして家まで連れて帰り、家の庭のすみに穴を掘ってお(はか)を作ってあげることにしました。
 
ある日のこと、二人はお墓の横で(かがや)く小さな光を見つけました。よく見るとそれは土から出てきた(しん)()で、(いっ)(とき)の時間、神々(こうごう)しい光を放っていました。
 
「この新芽は、しん太の生まれ変わりであるに(ちが)いない。」
 
おじいさんとおばあさんはそう言って生きている間、それを大事に大事に育てることにしました。



(用語の解説)
(しん)() 新しく生えてきた草木の芽のこと。
神々(こうごう)しい:(しん)()的で(とうと)いという意味。
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